「こんな風に財産を残したい」
「家族間でトラブルにならないようにしたい」
そう思ったことはありませんか?
ご自身が思ったように財産の分配方法を指定できるのが遺言書です。
どんな風に書けばよいのか。
書いた後どうすれば効力を発揮するのかを、このページではお伝えしたいと思います。
遺言書について
遺言書は、自身の意思で、『相続に関すること』(相続分の指定や、遺産分割方法の指定、法定相続人以外の方への相続、遺言執行者の指定)『財産の処分に関すること』(遺贈・寄付など)『家族に関すること』(未成年後見人・未成年後見監督人の指定など)を決めることが出来ます。
法律で定められた形式に乗っ取って記載されていれば、遺産分割協議よりも優先され、スムーズに相続手続きができるようになります。
これにより、個人の最終意思を遺産処分に反映でき、相続人同士のトラブルが避けられる可能性もあります。
●遺言書は誰でも残せるのか?
・満15歳以上で、意思能力があれば誰でも作成することがる可能です。
・成年被後見人に関しては、医師2名以上が立ち合い、正常な判断力の回復が確認できた場合に限り、遺言を残すことが出来ます。
●遺言書の注意点
・効力を持たせるためには法律で定められた形式でを作成する必要があり、不備やあいまいな表現があると、無効になります。
・遺言の訂正は、民法で厳格に定められているため、訂正や変更が必要になった際は、作成しなおす必要があります。
・夫婦が連名で遺言書を作成することは出来ません。
一言に遺言書と言っても、遺言書には【自筆証書遺言書】【公正証書遺言書】【秘密証書遺言書】の三種類があります。
それぞれの遺言書によって相続の手続きが変わってくることになります。
自筆証書遺言書とは、全文を自分で書いた遺言書のことです。
自宅などで自筆証書遺言書を発見した場合、 家庭裁判所で検認を行う必要があります。 この時、自筆証書遺言書を勝手に開封することは、絶対に避けてください。 自筆証書遺言を勝手に開封することは法律で禁止されています。誤って開封してしまった場合でも、5万円以下の過料が課される場合があります。
これは、他の相続人から内容を改竄、捏造されたのでは無いかと疑いを掛けられ、争いに発展する可 能性があるためです。そのため、見つけても勝手に開封することは避けてください。 自筆証書遺言は、未開封の状態で家庭裁判所に提出し、指定された日時に検認に立ち会います。そ後、遺言書が有効であると認められた場合、書かれている遺言に沿って手続きを進めていくことになります。
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公正証書遺言書は、 公正人に作成してもらう遺言書のことです。
公正役場に原本が保管されており、自宅にある控えが保管されています。 検認を行う必要はありません。 もし遺言執行者が指定されているなら、遺言執行者が遺言書の内容に沿って相続手続きを進めていきます。 遺言執行者が指定されていなければ、相続人の代表者を決めて手続きを進めていくか、相続人の代表が行政書士や司法書士に依頼し、相続手続きを進めていくことになります。
相続の手続きを代行できるのは行政書士・司法書士・弁護士などの国家資格者と法律で決められています。ファイナンシャルプランナーや不動産業、税理士が相続手続き(相続関係説明図作成、遺産分割協議書の作成)を有料で行うことは法律違反となります。 しかし被相続人が指定した遺言執行者である場合はこの限りではありません。
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秘密証書遺言とは、遺言の内容を誰にも公開せずに、公証人に遺言の存在のみを証明してもらう遺言のことです。
遺言書の内容を他者に知られないまま、遺言書の存在のみを公証人に証明してもらえることができ、遺言者の死後、遺言書が発見されないというケースを防ぐことが出来ます。 しかし、遺言書の保管は自身で行わなければなりません。 秘密証書遺言書を発見した場合、 自筆証書遺言書と同様に、家庭裁判所で検認を行う必要があります。 この時、秘密証書遺言書を勝手に開封することは、絶対に避けてください。 秘密証書遺言を勝手に開封することは法律で禁止されています。
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【メリット】 ・自分一人で書くことが出来る。 ・内容を他人に知られることがない。 ・公正証書遺言書や、秘密証書遺言書と違い、費用が掛からず作成できる。
【デメリット】 ・法律に定められた遺言書の条件を満たしていなければ、無効になる。 ・自筆でなければいけないため、ワープロでの作成や、代理人が記入した場合は無効になってしまう。 ・遺言書の存在に、相続人が気付かない場合がある。 |
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【メリット】 ・公証役場で公証人が作成するため、無効になることがない。 ・遺言作成者の死後、家庭裁判所による遺言の検認が省略される。 ・公証役場で管理されるため、遺失や破棄、発見されないという問題を避けることが出来る。
【デメリット】 ・公証人や、証人に自分の財産を公表しなければならない。 ・手数料や、報酬が発生する。 ・財産内容の調査や書類収集などで時間がかかる。
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【メリット】 ・遺言の内容を誰にも知られることなく、交渉人に遺言書の存在を証明してもらうことが出来る。 ・遺言書が作成者本人によって作成されたことを証明できる。 ・自筆証書遺言と違い、ワープロで作成しても良い。
【デメリット】 ・遺言書の内容に関しては公証人は関与しないため、不備や曖昧な表現があると、無効になる可能性がある。 ・遺言書の存在は公証人に証明してもらえるが、保管は自身で行わなければいけないため、作成した遺言が発見されない恐れがある。 |
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令和2年7月から、『自筆証書遺言保管制度』が始まりました。
この制度を利用した自筆証書遺言書は、法務局で遺言書の原本を保管することができ、家庭裁判所の検認手続きが不要になります。
そのため、自筆証書遺言書の遺失や発見されないなどのデメリットがなくなり、家庭裁判所での検認手続きも不要になるため、速やかな相続手続きが可能になります。
しかし、法務局では遺言書の内容に関しては質問を受け付けていないため、遺言書の内容に関して不安や疑問がある場合は、当センターに一度ご相談ください。
石川県の公証役場は三か所あります。
公正証書遺言書の作成をお考えの方は、参考にしてください。
●金沢公証人合同役場
住所:〒920-0855
石川県金沢市武蔵町6番地1号 レジデンス第2武蔵1F
電話:(076)263-4355
●小松公証役場
住所:〒923-0868
石川県小松市日の出町1丁目126番地 ソレアード2階
電話:(0761)22-0831
●七尾公証役場
住所:〒926-0816
石川県七尾市藤橋町戌部26番地1 トウアイビル102
電話:(0767)52-6508